パパ頭の日々のつぶやき

妻子との何気ない日常を漫画にしてます!

妻の話

ある日、公園で滑り台に並んでいた時のこと。
いよいよ順番が来るというところで、急に男の子が列をわって乱入してきた。
私は男の子を注意し、後ろに並ぶよう促した。
彼は不満そうにしつつもこれに従い、すぐ後ろに並んだ。
私と息子は一緒に階段をあがり、息子が前、私が後ろから覆うような形で滑った。
体の軽い息子、ゆーっくりと進んで、まもなくすべり終わろうとした時だった。
先程注意した男の子が、すごい速度ですべってきて私の背中を思いきり蹴りあげたのだ!
そこまでの悪童とは予想していなかった私はビックリしてしまい、息子の身を案じているうちに男の子は走り去っていった。
まんまと逃げ仰せられる、かと思ったが…

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そこにいたのは妻だった。
少し距離が離れていたので、状況はよく見えなかったが、妻は男の子に声をかけ、やったことを認めさせ、謝罪の言葉を引き出したらしい。
こたえるものがあったのだろう、男の子は肩を落としてトボトボと歩き去っていった。
世界で1番妻に怒られた経験をもつ私だからこそ分かることだが、こういう時の妻は意外に冷静で、その言葉は短いものの、胸の奥に煮えたぎる何かを感じさせる重い声色で語りかけてくる。
一瞬にして気温が2度くらい下がったかのような緊張感。
あれは…怖い!
私は少しだけ男の子に同情した。

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しばらくして妻は言った。
「失敗した」
私は意図がわからず、何か良くない部分があったのかと妻に問いかけた。
「私は、あの男の子が謝罪の言葉を述べた時『よし』と返してしまったが、『えらい』と返すべきだった」
望ましくない行為に対して言葉をかけるだけでなく、望ましい行為に対しても言葉をかける、それを怠ったことについて、妻は自責の念を感じているようだった。
武士みたい人だな、と思った。