パパ頭の日々のつぶやき

妻子との何気ない日常を漫画にしてます!

ダブルアプローチ!

息子が時々、ぶーっと唾を吹きかけてくることがある。
すぐに注意するのだが、本人はニヤニヤと笑うばかりで、下手をするとすぐさままた唾を吹きかけてくる。
優しい注意では一向にやめる気配がない。
そこであえて厳しい口調でガン!と叱ってみるわけだが、一転泣き崩れてしまう。
とはいえ悪事を働いたのは息子である。
手段は他になかった…と思ってしまいそうだが、どうだろう?
少し視野を広くしてみたい。

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人の行動を決定づけているのは何だろう。
それは思考だろうか?それとも感情だろうか?
社会心理学者のジョナサン・ハイトという人物は、これを「象と象使い」の比喩で説明している。
この比喩で表されるところの象とは感情のことであり、象使いとは思考のことである。
ハイトは、象使い(思考)が行動を決めていると考えがちだが実は違う。
実際には、象(感情)が行動を決めているのだと考えた。
象使い(思考)は、行動が為された後に、それを導いた象(感情)に対して、言葉を用いて理屈を与えるのが主たる役割だというのだ。
では象(感情)の動きを決めているのは何だろう。
ハイトは、それは環境である、と指摘している。
環境が条件となって、人に感情を与え、それが行動の原因になる。
つまり人の行動を決定づけている1番の要因は、環境だということになる。
ただし、象使い(思考)には何もできないということではない。
象使い(思考)は、象(感情)よりも正しくその環境を認識することができる。
この認識をもとに、象使い(思考)は他の象使い(思考)とコミュニケーションをとり、やがては環境そのものを変化させていく。
大きな視点で捉えれば、それが象(感情)を動かし、行動を変化させていくとハイトは考えた。

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ハイトの考えに従うなら、叱る以外にもできることはある。
私は叱ることによって、いわば息子の象使い(思考)に働きかけているつもりでいた。
しかしここには見落としがあった。
それは息子の象(感情)に働きかけることである。
これは環境によって決定づけられるものだ。
改めて振り返ってみよう。
息子はどんな時に唾を吹きかけてきていたか。
それは例えば、私がテレビに夢中になっている時、まわりにオモチャが何もない時、妻と2人で話し込んでいる時、つまり…息子が退屈している時だ。
解決策を考える。
テレビはもう消していいかもしれない。
退屈そうな時はオモチャを出してあげるといいかもしれない。
お話するなら息子の話題で盛り上がるといいかもしれない。
やりようはいくらでもある。
もちろんどうにもならない時もあるだろう。
そういう時は注意すればいいのだ。
思考と感情、両側面から行動に働きかけていく。
私にはその視点が欠けていた。

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私は、息子の行動をコントロールしたいわけではない。
私がいつも考えているのは、息子の精神的成長だ。
行動はゴールではない。
部屋が汚れていたとしよう。
「その大切さを理解しているからこそ掃除をする」というのは自然な流れであるように見える。
しかし一方で、「掃除をすることによって、その大切さを理解する」ということもあるかもしれない。
行動には、息子の精神的成長のための手段として、役立ってもらいたい。